荒天準備のとき来る 3.11について感じること


4月号では災害時での役立ちそうな情報を掲載しました。
今回は長いスパンでの考え方について感じるところを述べます。

この震災を境に第2次大戦の前と後ぐらいの断続性が生じるのではないかと最近感じています。
当社においては3月中旬以降賃貸物件の引き合いは極端に少なくなりました。飛び込み客が減っただけでなく、業者からの問い合わせも少なくなりました。それまで賃貸はシーズンでもあり比較的好調でしたので、当初はこの停滞が短期間で終わり賃貸のピークが4月末頃まで延びるのかなと軽く考えていましたが、1カ月過ぎても、この傾向は変わりません。引越しはひとつの贅沢という面もありますから、経済的にも心理的にもその余裕が無くなってきていると思われます。退去して実家・故郷に帰りますという人がここにきて目立ってきました。放射能の影響からかお客さまのなかには地方の親・友人から帰ってくるように言われているという人もいます。名古屋・大阪では東京からの移転者が増え、手軽なウイークリーマンションは一杯だという話も聞きました。

 日本の重心が西に移ったことは間違いないようです。欧米企業のアジアの司令塔も東京から香港に移ったようです。池袋でも外資系オフイスの転出が目だってきました。将来的には首都東京に全ての機能が集中している現在の状況は薄れ、政治・経済・学術・文化・娯楽も分散 ― というよりも西日本に移ることになるものと思われます。現在銀座の飲食店は壊滅状態だそうですが、大阪の北新地はウハウハ状態とのことです。

震災直後は想定外の事態だと思われていたことが、実際には、本当の想定外はほとんどなかったことが次第に判ってきました。危険を指摘した方は何人もいたし、検討もされていたようです。費用のかかることは、理屈をつけて避けていたことが徐々に判明しつつあります。
原発問題は終息に向かっているというよりも、これから長期間にわたっての問題が始まったばかりというほうが正確でしょう。また余震も広範囲に半年は続きそうですし、長いスパンでは東海地震も想定され、首都直下型地震が30年以内に起こる確率が約70%といわれています。

人は考えたくないことは、考えないようになるし、対処したくないことは対処しないで済まそうとします。これらを検証して、自戒を含めて考えてみました。

 税収より国債発行による調達(借金)のほうが多いという日本の財政の危機的状況は10年位前から指摘されていましたが、年金の特別財源まで復興にあてるというのはもう末期症状です。昨日、格付け会社のSP社が日本国債の格付けを安定的からネガテイブに引き下げました。金利は上昇気味になるでしょう。日本経済の悪さが浮き彫りになり、国家の資金繰りがつかないのが明確になる夏以降にマーケットに激震が走りそうです。具体的には金利高(債券安)・円安・インフレです。株はインフレになればそれほど下がりませんが、インフレになるには時間がかかりますので、その前に暴落がありそうです。株を買うなら関西基盤の企業のほうに分がありそうです。当然年金は頼りになりません。

 

準備としては

   その1   「想定の範囲内」を広げる

  御自身・家族の病気・死亡・失業等最悪の場合を想定しておきましょう。平均余命からそれぞれのだいたいの
  寿命は判ります。亡くなったあとのシミュレーションをしておきましょう。想定の範囲外の長生きをされれば
  それはそれで喜ばしいことです。連絡が取れなくなる可能性もあるので、財産管理は複数人で行い、代行者を
  育てておく。財産については流動性の確保に留意しましょう。
  不要・不急の動産・不動産は持たない。
  保持するにしてもどの位で現金化できるかを(時間と価格)を調べておきましょう。余裕があれば毎月家賃が
  入る投資用物件は頼りになるでしょう(投資用物件は下がっていません)。狡兎三窟の譬えもあり別荘・別宅
  も万一のときは役に立つでしょう。但し、高層マンション(20階以上)は人気がなくなりました。要注意です。


   その2   備えあれば憂いなし

 トヨタの7割減産という予想外の痛手も看板方式等究極の無駄を省いたやり方が裏目に出ています。あまりに
  状況に適応しすぎると(過剰適応)、環境が激変した時にダメージが大きくなります。トヨタ銀行と言われる程
  資金が潤沢なトヨタですから、倒産はしませんが、普通の企業なら倒産しています。トヨタともあろうものが
  どうして危険をヘッジしていなかったか不思議な位です。仄聞するに、目先の利益に貢献する者を過度に評価する
  というトヨタ独特の企業文化のなせる業でしょう。これを反面教師にして、余裕のある時期に将来(状況の変化)
  に備える必要があります。無駄は大事ということを忘れないようにしましょう。

 

以上とりとめのないことを書きました。ご参考になれば幸いです。

(平成23427   土屋 治)

                                 

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